25年前のSMの話。
それなりの歳の人でないと知らないことだと思います。要するに私はそれなりの歳なのですが。
25年前、あるいはその前。
「君はS?それともM?」
という発想はありませんでした。
SMといえば、男は当然S、女は当然Mと考えられるものでした。
SM雑誌でも、男Sものがおよそ9割を占め、後半の方に1つぐらいM男性のための読み物があるという状態でした。
本でもテレビでも、Mの男が登場するまれな機会があると、
「なにこれ、変態」
「きもちわるい」
「信じらんない」
と、笑いものにされ、バカにされるのが常でした。
Mの男という存在そのものが不自然で、社会的に著しく信用を欠く存在とされていたといってもいいでしょう。
Mを公言する勇気を持った男性は、希有な存在だったと思います。
もちろん今でもそうですが、その当時自分のMとしての性癖を堂々と言えた人は、尊敬に値するのではないでしょうか。
今、時代はずっと良くなりましたね。
「おれ、どちらかといえばMかな?」
なんて言っても、
「あら、そう」
ですませてくれますから。
もちろん今でも社会の中では少数派であるという事実は変わりません。
でも、それは未来永劫変わらないのかもしれないかもとも思います。
少数派なりに楽しむスペースと、相手をしてくれる女性がいてくれればそれでいいのだと思います。
それにしても、女性S、男性Mが、昔ほど奇異な目で見られなくなったのはうれしいですね。
社会はいい方向に動きましたね。
女性の地位が上がったのだと思います。また、ネット上でマイノリティーが情報共有するようになったのも大きいのではないでしょうか。